「なるほど」はアクティブに考えた結晶です
みなさん、こんにちは。
全教図です。
これまで地図やシンキングツール®・ボードを紹介してきました。
新しい指導要領の内容をものすごく意訳すると、インプットやアウトプットのみならず、思考の変化にまで気を配るように、とそれぞれの児童や生徒を見ていくのが先生にもとても大変になってきているように思えます。そんな時、児童が自分で考えて行った工夫、頭を働かせるとどんなことが起きるのか、を知りたくはありませんか?
図画工作は、そんな児童の工夫や頭をどう働かせているのか、を見るのにとても参考になる教科といえます。なんせ、工夫の証しが作品ですから。
図工は専科の先生がやってくれるから、とか思ったそこの先生。たまには専科の教科をのぞいて見るのも参考になりますよ。
あ、自分は図工が苦手だ、とか言ってしまったそこの先生。
そんな先生にこそ見てもらいたい教材があるんです。
これです。
「最新小学児童作品集 "なるほど"を感じる図画工作」
この教材の一番の特徴は、これ。
掲載している作品は単にうまい作品を並べたのではなく、子供が考えに考えた結果がわかる作品を載せている。
コンクールなどで受賞している作品はあるにはありますが、数点だけです。
この作品集には、普通の学校にいる普通の児童(あるいは児童たち)が、作品に行った工夫がつまっています。なぜか。
コンクールなどでの受賞作ばかりを集めて作られた作品集を見ると、
「すごい。うまい」
で、終わってしまいます。
この作品集は、児童がたくさん頭を働かせています。最近、聞こえてくる回数がかなり減りましたが、子供がアクティブラーニングしているといえる作品ばかりです。
「なるほど」と思える工夫は児童が「自分でもできるかも」と思わせる作品ばかりです。
授業の流れとして想定できるのは、
1.作品を見せる。
2.どのような工夫をしているのか、何を表現しているんだろうか。
などグループで話し合い、全体でディスカッションする。
3.それを踏まえて、自分たちの製作に入れる。
児童たちは、自分ならこうする、こうした方が面白そうなどものすごく活発になっているのが目に浮かびませんか?
とはいえ「どこにどんな工夫があるのか、ぱっと見ただけではわからない」
なんて声も聞こえてきそうです。
そんなときのために解説書もついてます。
解説書には、
「なぜその作品が提示教材としてふさわしいのか」
「子供の表したいことからの工夫は何か」
「どのようなプロセスをへてつくられているのか」
が分かりやすく書かれています。
図工が苦手な先生は、ぜひ解説書内の「指導の流れ」や「技とコツ」を参考にしてみてください。
「指導の流れ」はさささっと書いてあるようにみえますが、どれも重要参考事項です!
というのもこの作品が作られた授業の流れがそのまま書いてあるからです。
例えば、この「泣いた赤鬼」の絵は、読み聞かせをして、自分の気に入った場面を書かせているのですが、絵を描く中で一番大切なのが、直接描かせていること。
下書きはさせず、思いついたことをすぐに描かせています。
そうすることで、あの鬼の力強さやいろいろなものが飛んでいっているハチャメチャッぷりが作品に出て来るのです。
監修は元教科調査官で現在は聖徳大学教授の奥村高明先生です。絵と対話して、子供が何を考えて描いたのか、または作ったのかを読み解こうと真摯に向き合っている姿勢がとても印象的でした。
掲載している作品は全国各地の作品ですが、どの作品を取り上げるのか、全て先生が実際に見て判断を下しました。
本教材に関しては、新しい活用事例ができましたら紹介します。
では、また!